Charles University second faculty臨床留学体験記

医学部6年 井邊晶也

2024年4月2日よりチェコ共和国にあるチャールズ大学第二医学部附属病院で留学する機会をいただきました.私が今回の留学を希望したきっかけの1つにUSMLE(米国医師国家試験)があります.USMLE STEP1受験に向けて勉強を進めていくにつれて英語でも理解できることが増え,次第に臨床医として海外で働くのは実際のところどうなんだろう?と感じるようになりました.私にとってこのプログラムは少しでも日本とは違う環境で勉強できるという点で非常に魅力的でした.実習先の臨床科については,AIMとSURGERY IIの2科にそれぞれ2週ずつ受け入れていただきました.

AIMは麻酔と集中治療を担当する部門で,実習ではシミュレーターを用いた救命措置練習をしたり手術場,ICUでの麻酔管理について見学しました.SURGERY IIでは講義を受け,いくつかの外来や検査,手術を見学しました.私にとっては講義スタイルと学生の積極性が特に印象的でした.AIMでは学生どうしでグループを組んで実際の症例に則り,措置を相談しながら進めていきました.準備はして行きましたが,それでも向こうの学生とスムーズにコミュニケーションを取れるほども英語力がなく,どの状況下では何の薬をどれだけ投与すれば良いかといった治療上必要な知識も乏しく,その点向こうの学生についていくのが大変でした.受講した講義についてはほとんどが「先生→学生」だけでなく「学生→先生」,「学生→学生」のやりとりが活発でした.正解?不正解は関係なく,まず自分の意見を自信を持って他者に伝えるということが当たり前で,間違っていれば学生どうしで議論したり,先生にその場で質問したりしていて,見習うべき姿勢だなと感じました.SURGERY IIで受け入れていただいたときは整形外科と小児外科のタームでした.興味があると先生に伝えたところ,てんかんや骨形成不全といった大学では見たことのない小児脳神経外科の手術をいくつ見学させていただけました.その他,手術では虫垂炎,外来では漏斗胸や停留精巣などの診察なども見学させていただき,さまざまな疾患について見て,改めて自分でもそれについて勉強する機会が持てたことが非常によかったです.

今回の実習ではもちろん,何か新たにできたり会得したりしたこともありましたが,向こうの学生と比べて今の自分には何ができていないのかを認識できたことの方が収穫として大きく,大変有意義な時間を過ごさせていただきました.最後になりますが,このような貴重な機会をくださった神人先生や林さん,その他留学に際してサポートくださった方々に感謝申し上げます.ありがとうございました.

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