附属病院の看護
わたしたちの看護を紹介します
患者さんの「食べる」を支える 2026年3月
耳鼻咽喉科?頭頸部外科病棟では摂食嚥下支援チームを中心に患者さんの「食べる」を支える活動をしています。
頭頚部がんの手術を受ける患者さんは手術後に舌や喉に大きな影響を受け、食べる機能を阻害される例が多くあります。このような患者さんに術後早期から食べる機能の回復にむけて、看護師、耳鼻咽喉科?頭頸部外科医師、歯科口腔外科医師、管理栄養士による多職種で支援計画を立案し、カンファレンスをしながら、患者さんの「少しでもいいから口から食べたい」という思いに添い食べることを大切にかかわっています。
手術後、経管栄養から開始し、嚥下機能を検査で確認しつつ、患者さんそれぞれの生活背景を含めた情報から食べる計画を立案し、訓練を進め、もとの食事形態に近づけるように支援します。重湯や流動食、ゼリー食、きざみ食と食事形態や内容が徐々に変化することで、患者さんやご家族が回復を確認し、意欲的に訓練に取り組むことができます。さらに、退院に向けて家庭で続けていける方法を患者さんやご家族と一緒に考え、外来の看護師とも連携して患者さんの「食べる」を支えています。
患者見守りシステムを活用した安全な離床と回復の促進 2026年3月
附属病院では患者さんの転倒転落を防ぎ、安全な離床をすすめるため患者見守りシステムを活用しています。
9階東病棟は消化器?内分泌疾患をもつ患者さんが入院する外科病棟です。手術を受ける患者さんは術前からのリハビリテーションはもとより、術後は早期離床を進め、筋力維持、合併症予防のため積極的なリハビリテーションを行っています。日常生活動作を拡大する一方で痛みなどによる不安定な体勢や、慣れない環境に混乱する高齢者など、転倒?転落につながってしまうことがあります。そのため病室内に設置したセンサーカメラで見守りを行うシステムを活用し、病室から離れた場所でも行動を見守り、必要であれば駆けつけるようにしています。
患者見守りセンサーは、リアルタイムにシルエット画像で携帯端末に情報が送られてきます。患者さんを観察し行動の傾向を知ることで危険を予測し、対応しています。画像で行動が確認できるため、夜間帯は頻回に病室に出向くことも減り患者さんの睡眠を妨げず、またトイレにいく時間が把握できれば少し動きだした時点で、看護師が介助にいくなど予測した対応ができるようになっています。身体拘束最小化の取り組みにも活用できています。
入院中の行動拡大による危険リスクを減らすことは、回復過程を妨げず元の生活に戻りやすい療養環境つくりにもつながっています。
中央放射線部における低侵襲治療を受ける外国籍患者の看護 2025年7月
中央放射線部では、画像下治療(Interventional Radiology:以下IVR)を実施しています。IVRは従来の外科手術に比べて低侵襲で検査や治療を受けられますが、局所麻酔のため患者さんは意識下で長時間安静を保ち、痛みや不安、不快感などを感じることがあり、思いがうまく医療者に伝えられない場合もあります。
そこで、私たち看護師は入院中の患者さんに治療前訪問をおこなっています。検査や治療に対する不安や気がかりなどを把握して、治療中に行う看護について説明します。また、希望を聞き可能な限り対応する準備をして患者さんを迎えます。日本語でのコミュニケーションが難しい外国籍の方が治療をうける場合、外来からの患者情報をもとに訪問します。治療中は翻訳機と外国語で作成した指差しシート(意思疎通カード)を用いて治療中に協力してもらいたいことや患者さんが訴えたいような症状についてコミュニケーションをはかることを伝えます。医師や臨床放射線技師とも翻訳機や指差しシートの活用について情報共有し、外国籍の患者さんの不安を軽減し治療を受けられるよう取り組んでいます。治療中に翻訳機や意思疎通カードを活用すると、患者さんは「OK」や「good」のジェスチャーサインをしてコミュニケーションを図ることが出来ています。
患者さんにとってもっとも身近な存在である看護師が、ひとりひとりのニーズに添い、患者さんの不安の軽減や要望に対応し、安全にIVRを受けられるように支援しています。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師との連携 2025年3月
-病棟ラウンドでより個別性のある看護を-
脳神経外科病棟では、脳卒中疾患の患者さんに対するケアを充実させる取り組みをおこなっています。そのひとつが脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(以後CN)と病棟看護師が一緒に行う病棟ラウンドです。患者さんの状態と障害に対する注意点や、再発予防のための生活指導などラウンドで確認する内容は多岐にわたります。患者さんのベッドサイドで患者さんの抱える問題や看護についてCNとディスカッションし、その内容を参考にしながら受け持ち看護師が中心となり立案した計画をもとに実施し、退院までに評価します。
また、CNが毎週勉強会を開催し脳卒中看護について知識を深めています。新人看護師や異動者にとって学習会を通して知識を得るだけでなく、疑問や悩みを解決する機会にもなっています。
病棟ラウンドを開始してから患者さんのケアカンファレンスが頻回に開催され、よりケア計画に個別性が出て、看護師の行動や考え方にも変化が現れています。そして合併症の早期発見につなげることができています。
CNと病棟看護師のラウンド ケアカンファレンス
高度救命救急センターCCUの『安全な早期離床』 2024年10月
CCUでは患者に適切な離床を進め、廃用症候群やせん妄を予防し、再発予防や長期予後の改善、退院後のQOL向上を目指したいと考え、医師との共同調査結果を実践に活かしています。
急性心筋梗塞の場合は離床プログラムがあり、客観的データを参考に医師と相談しながら離床をすすめていましたが、心不全やその他循環器疾患は詳細な離床プログラムはなく、客観的データや留置物、使用中の医療機器?投与薬剤を総合的に評価し、安静度を検討していました。心不全の進行は個人差があり、重症度や患者の生活スタイル?QOLを考え、退院後を見据えた目標を考える必要があります。CCU入室期間が長期になり、入院時の主疾患だけではなく、廃用症候群やせん妄、その他二次的な合併症が予測される場合、医師の安静度指示はギャッチアップ90度までで止まっていることも多く、看護師から医師に安静度の拡大を提案していました。
そこで、医師の考える安静度と看護師が考える安静度の乖離の有無と、乖離の要因を明らかにするため、医師と看護師が別々に安静度の評価と評価理由を毎日記載しました。評価の根拠として、留置物や医療機器等の影響等も把握しました。この調査により、医師が指示した安静度と看護師の考える安静度を比較した結果、評価した患者すべてに医師と看護師間で安静度のとらえかたの乖離はなく、看護師から医師に提案するタイミングや判断も間違っていないことがわかりました。
看護師は自信をもって判断し医師に患者の安静度拡大について積極的に提案しています。そして患者にとって適切な離床を進め、廃用症候群やせん妄を予防し、一般病棟に繋ぐことができています。